なぜ「保険診療だと補助金が使えない」と言われるのか

国の補助金には、国の他の制度と重なる事業に補助しないという決まりがあります。診療報酬は公的医療保険から支払われるので、「診療報酬を受ける事業に補助すると二重になる」という考え方が以前は広く使われていました。省力化投資補助金の第5回のFAQは、その考え方をはっきり書いています。

「保険診療(診療報酬・介護報酬を受ける事業)に対して補助することは、国の公金の二重支給となりますので補助対象外としております。」省力化投資補助金 一般型 FAQ Q64(第5回)FAQ PDF p.5

ところが同じ制度の第6回以降は答えが逆になりました。さらに、後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金も診療報酬を例外としています。つまり「保険診療だから使えない」は、2026年の時点では制度によっては当てはまりません。一方で、持続化補助金や成長加速化補助金は今も対象外の条文を残しています。全部を同じ話として読むと誤ります。

10制度の診療報酬の扱い:比較表

当サイトが各制度の公募要領とFAQから、診療報酬に触れた条文を拾って並べた表です。「読み取り」の列は原文そのものではなく当サイトの整理です。

制度(確認した版)原文の扱い読み取り根拠
省力化 一般型(第6回〜第9回)「(公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬は除く)」+FAQ Q65「重複に該当しないため、申請いただく事は可能」重複扱いしない公募要領 第9回 PDF p.13、FAQ Q65
新事業進出・ものづくり商業サービス(第2回)同じかっこ書き+FAQ Q70「例外として認められている」重複扱いしない公募要領 PDF p.27、FAQ Q70
デジタル化・AI導入(2026)診療報酬の除外条項なし。国の他の補助金との重複だけ不可保険診療でも申請可能と読める公募要領 PDF p.8・p.10〜11
事業承継・M&A 専門家活用枠(16次)該当の文言なし仲介費用には効かないと読める公募要領 PDF p.12
事業承継・M&A 承継枠・PMI投資類型(16次)報酬事業等とは別の事業で活用と確認できないと採択されない保険診療と分離が要る承継枠 PDF p.15
省力化 カタログ注文型診療報酬と「補助対象経費が重複しているもの」は対象外保険診療で使う製品は不可と読める公募要領 PDF p.15
持続化(第20回・創業型第4回)診療報酬と「同一又は類似内容の事業」は対象外保険診療に使えない(歯科医師はそもそも対象外)公募要領 PDF p.8
成長加速化(3次)診療報酬「との重複を含む事業、及び同一又は類似」は対象外保険診療に使えない公募要領 PDF p.9
旧 ものづくり(第23次)診療報酬「との重複を含む事業」は対象外公募終了公募要領 PDF p.11
旧 新事業進出(第4回)重複を含む事業は対象外+「診療報酬・介護報酬を受ける事業に使用し得るもの」は経費の対象外公募終了公募要領 PDF p.22・p.28

上の表で読み取りが「重複扱いしない」になっている制度でも、審査や他の要件は別にあります。保険診療を理由に外されないというだけで、採択や対象を意味しません。

診療報酬を重複から除いている制度

保険診療の医院にとって一番重要なグループです。原文を確認します。

省力化投資補助金 一般型

「固定価格買取制度等(公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬は除く)や、(過去又は現在の)国(独立行政法人等を含む)の補助金と補助対象経費が重複する事業は補助対象となりません。」第9回 公募要領 PDF p.13
「公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬につきましては、重複に該当しないため、申請いただく事は可能です。」FAQ Q65(第6〜9回)FAQ PDF p.5

第5回のFAQ Q71は「公的医療保険からの診療報酬との重複がある事業は対象に含みません」、第6回のQ72はその一文が消え、第7〜9回のQ73は歯科の医療法人の要件に置き換わっています。要領の版を追うと変更の順番が分かります。一般型の記事に版の表があります。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

「『公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬』については例外として認められているため、事業内容自体は補助対象になり得ます。」FAQ Q70

ただしFAQ Q70の前段で、医療法人が運営するクリニックは事業者の要件を満たさないため申請できないとしています。個人開業に限った話です。さらに、枠の要件として革新的な新製品・新サービスの開発などが求められ、既存の診療の効率化は枠の趣旨に合いません。診療報酬の条文が緩くても、他の要件で止まる制度です。

デジタル化・AI導入補助金

公募要領に診療報酬の除外条項は見当たりません。むしろ保険医療機関を賃上げの必須要件の適用外としています。

「健康保険法、国民健康保険法、労災保険及び自賠責保険の対象となる医療等の社会保険医療の給付等を行う保険医療機関及び保険薬局」通常枠 公募要領 PDF p.11

要領が保険医療機関を別扱いで書いているということは、保険医療機関が申請者になる前提です。国の他の補助金と重なる経費は対象外なので、たとえば電子処方箋の導入補助と同じ経費を出すことはできません。デジタル化・AI導入補助金の記事で要件を説明しています。

自院で使えるかは、開設者の区分で変わります

3問で診断する

診療報酬と重なるものを対象外にしている制度

「国が助成(国以外の機関が、国から受けた補助金等により実施する場合を含む)する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と同一又は類似内容の事業」持続化補助金 一般型 第20回 公募要領 PDF p.8
「公的医療保険からの診療報酬(2-3.(3)③に該当する法人が受け取る診療報酬については除く)」省力化 カタログ注文型 公募要領 PDF p.15
「公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)との重複を含む事業、及び同一又は類似した内容の事業は対象外」成長加速化 3次 公募要領 PDF p.9

カタログ注文型のかっこ書きが興味深い点です。③は介護事業を営む法人の例外で、その法人が受け取る診療報酬だけを除いています。歯科診療所の診療報酬は除かれていません。同じ省力化投資補助金でも、一般型とカタログ注文型で扱いが違います。

持続化補助金は、歯科医師と医療法人が対象者の欄で外れているので、この条文の前に止まります。詳しくは持続化補助金の記事をご覧ください。成長加速化補助金は、個人の歯科医師が区分上入っても、売上高10億円以上・投資額1億円以上の要件に加えて、この条文があります。

事業承継・M&Aは枠によって扱いが割れます

同じ補助金の中で枠によって違うのが事業承継・M&A補助金です。承継枠とPMI推進枠の事業統合投資類型は設備などへの補助が中心なので、報酬事業との分離を求めています。

「特に、公的医療保険及び介護保険からの診療報酬及び介護報酬、固定価格買取制度等」事業承継促進枠 16次 公募要領 PDF p.15
「報酬事業等とは別の事業において活用されることが明確に確認できないと事務局が判断した場合は採択とならない」事業承継促進枠 16次 公募要領 PDF p.15
「指定保険医療機関・保険薬局等に該当しないことを明示する。/補助対象事業は、従来の報酬事業等を営む事業所とは別の事業所において、設備機器等を完全に分離した上で実施する。」事業承継促進枠 16次 公募要領 PDF p.15(重複に相当しない根拠例)

保険診療を続けながら承継枠で設備を入れるのは、この根拠例を見る限り難しいと読めます。一方、専門家活用枠の対象事業の要件(2)-③には診療報酬の文言がありません。FA・仲介の費用が中心の枠なので、個人開業の第三者承継ではこちらが現実的です。医療法人は3枠とも対象外です。事業承継の記事で説明します。

厚生労働省系の制度と診療報酬

電子処方箋の導入補助や賃上げ・物価上昇の支援は、むしろ保険診療を前提にした制度です。診療報酬の加算と並べて案内されているものもあります。

制度保険診療との関係根拠
電子処方箋の導入補助補助金のほかに、電子的歯科診療情報連携体制整備加算の増点の条件の1つとして案内(加算2は4点、加算1は9点)歯科のための電子処方箋導入ガイド p.6
賃上げ・物価上昇の支援保険医療機関コードがあり、令和7年4月1日から申請時点までに診療報酬請求の実績があることが条件。賃上げ支援は令和8年3月1日時点のベースアップ評価料の届出など厚生労働省
キャリアアップ助成金診療報酬の除外の記述は確認した案内に見当たらない(雇用保険適用事業所の事業主が条件)ご案内
業務改善助成金交付要綱に診療報酬の除外は見当たらない(事業場内最低賃金が条件)交付要綱
在宅歯科の設備整備(都道府県)県の事業で、要件は県ごとに確認各県
「本事業の対象は保険医療機関コードが発行されており、令和7年4月1日から申請時点までに診療報酬請求の実績がある施設となります。」厚生労働省 賃上げ・物価上昇支援事業

経済産業省系の補助金では保険診療が壁になる場合があり、厚生労働省系の補助では保険診療が前提になる場合があります。同じ「補助金」でも発想が逆です。

保険診療と自由診療が混ざる医院の考え方

多くの歯科医院は保険診療と自由診療の両方を行っています。公庫の創業計画書の記入例でも、歯科医院の売上は保険診療80%、自由診療20%で書かれています。このとき、自由診療の部分だけなら対象になるのかという疑問が出ます。

制度自由診療の部分の扱い(原文の範囲)
省力化 一般型第5回のQ64は「保険診療ではない自由診療やサービスのみである場合については、補助対象」としていた。第6回以降は保険診療も重複に該当しないので、この区別は要らなくなった
持続化歯科医師・医療法人は対象者でない。自由診療でも同じ
カタログ注文型業種表に医療業がなく、自由診療で区別する話に至らない
承継枠別の事業所で設備機器等を完全に分離することなどが根拠例
「保険診療ではない自由診療やサービスのみである場合については、補助対象です。」省力化 一般型 FAQ Q64(第5回)FAQ PDF p.5

機器を保険と自由の両方で使う場合の按分を定めた条文は、確認した範囲では見つかりませんでした。一般型のように報酬との重複を問題にしない制度では按分の必要が生じませんが、対象外としている制度では、両方に使える機器は「診療報酬を受ける事業に使用し得るもの」として扱われる可能性があります。旧 新事業進出補助金の第4回は経費についてこの書き方をしていました。

「診療報酬・介護報酬を受ける事業に使用し得るもの」旧 新事業進出補助金 第4回 公募要領 PDF p.28

旧制度と後継制度の条文の変化

ものづくり補助金と新事業進出補助金は公募が終わり、後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金に統合されました。保険診療の扱いは統合で変わりました。

制度医療法人診療報酬状況
ものづくり補助金 第23次対象外重複を含む事業は対象外公募終了
新事業進出補助金 第4回法人区分に挙がらない重複を含む事業は対象外+経費も対象外公募終了
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第2回対象外重複から除く2026年12月25日15:00まで
「公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買い取り制度等との重複を含む事業」旧 ものづくり補助金 第23次 公募要領 PDF p.11
「固定価格買取制度等(公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬は除く)や、」新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第2回 公募要領 PDF p.27

「ものづくり補助金は保険診療で使えない」という解説は第23次までの内容で、後継の制度では個人開業について条件が変わっています。ただしものづくり補助金の記事で説明するとおり、枠の趣旨から既存の診療の効率化には向きません。

歯科で検討される機器・ソフトごとの当てはめ

保険診療で使う機器やソフトを補助金で入れられるかを、制度ごとに当てはめました。すべて原文からの読み取りで、対象を保証するものではありません。一般型は単体の汎用品が対象外という別の壁があり、デジタル化・AI導入補助金はハードウェアが対象外という別の壁があります。診療報酬の壁と、経費の種類の壁は分けて考えてください。

機器・ソフトデジタル化・AI導入 通常枠省力化 一般型省力化 カタログ注文型
電子カルテ登録製品なら可能性あり(医P-06)パッケージソフトの単体は対象外業種表に医療業なし
レセコン登録製品なら可能性あり。増台・リビジョンアップは対象外同上同上
予約システム登録製品なら可能性あり(共P-01)同上同上
在庫管理システム登録製品なら可能性あり(共P-03)同上同上
自動精算機ハードは対象外。インボイス対応類型のレジは条件あり単体は対象外。組み合わせなら可能性あり同上
滅菌器・洗浄機ハードは対象外単体は対象外。組み合わせなら可能性あり同上
歯科ユニットハードは対象外単体は対象外。省力化の説明が要る同上
CT・口腔内スキャナーハードは対象外単体は対象外。組み合わせなら可能性あり同上

診療報酬の観点だけなら、上の3制度のうち問題になるのはカタログ注文型だけです。ただしカタログ注文型はそれ以前に業種が合いません。結局、保険診療の歯科医院の設備は一般型、ソフトはデジタル化・AI導入補助金が候補になります。

一般型のFAQの答えはこう変わりました

同じ問いが公募回で書き換えられています。古い解説がどの段階の話をしているのか、見分ける材料になります。

問い第5回第6回第7〜9回
保険診療を行っている医療機関は申請できないかQ64:対象外。自由診療のみなら対象Q65:重複に該当しないので申請可能Q65:同じ
医療・クリニックは対象かQ71:医療法人は対象外。診療報酬との重複がある事業は含まないQ72:医療法人は対象外(診療報酬の一文なし)Q73:医療法人は対象外。歯科の医療法人は要件を満たせば申請可能
公募要領の国の他の制度との重複-かっこ書きで診療報酬を除く同じ

出典: 中小企業省力化投資補助金 一般型 FAQ 第5回〜第9回(PDF 作成 2026年11月4日)。

カタログ注文型のFAQにも医療の問いがありますが、答えは介護事業を営む法人の話です。歯科の医院がカタログ注文型の答えを一般型の答えと取り違えないように注意してください。

「公募要領記載の要件を満たす、介護事業を営む法人が受け取る診療報酬と重複する事業については対象となります。」省力化 カタログ注文型 FAQ Q83 FAQ PDF p.6

診療報酬の重複と、補助金どうしの重複は別の話です

「重複」と書かれていても、2つの意味があります。診療報酬との重複は上で見たように制度で扱いが違います。一方、国の補助金どうしの重複は、確認した制度のほとんどで対象外です。同じ経費を2つの補助金に出すことはできません。

場面扱い根拠
デジタル化・AI導入で同じ経費を他の国の補助金に不可。事業内容(サービス・ソフトウェア、経費等)が重複しなければ申請可能FAQ Q19
省力化 一般型で同じ経費を他の国の補助金に不可。同じ事業で複数に採択されたら1つを選んで交付申請公募要領 PDF p.13
電子処方箋の導入補助とデジタル化・AI導入活用が可能な場合があるとガイドにあるが、同じ経費かどうかはシステム事業者に確認ガイド p.6
都道府県の補助と国の補助国の補助金を財源にする都道府県の事業がある(賃上げ・物価支援は国の補正予算を活用)。要綱で確認厚生労働省・各県
「国及び中小機構の他の助成金・補助金との併用はできません。」デジタル化・AI導入補助金 FAQ 通常枠 Q19

申請のときに過去の補助金の実績を入力する欄があり、一般型では記載がないと虚偽の申請として不採択になると要領にあります。過去に受けた補助金は一覧にしてから申請の準備に入ってください。

重複を何の単位で見るか:条文を並べ直す

比較表の「対象外」にも強さの差があります。条文が見ているのは経費なのか、事業なのか、設備の使われ方なのか。原文の一文を並べると違いが出ます。

制度見ている単位原文の要点場所
成長加速化(3次)資産・費用と、事業の内容の両方補助対象経費の重複に限らず、テーマや事業内容から判断。製品及びサービスの内容、提供方法、市場又は顧客の種類、販売方法等を総合的に勘案公募要領 PDF p.9
省力化 カタログ注文型経費。別にデジタル化・AI導入補助金との事業の重なり補助対象経費が重複しているもの。経費が重複していなくても、同じ業務プロセスに省力化製品を導入するもの公募要領 PDF p.15
事業承継 承継枠設備の使われ方と事業所補助対象となる設備等が、報酬事業等とは別の事業で活用されることが明確に確認できるか承継枠 PDF p.15
持続化事業と経費の2か所同一又は類似内容の事業。保険適用診療にかかる経費(保険診療の宣伝も兼ねるチラシ等)一般型 PDF p.8・p.19
旧 新事業進出(第4回)事業と、経費の性質重複を含む事業、及び同一又は類似した内容の事業。経費は使用し得るものを除くPDF p.22・p.28
省力化 一般型、新事業進出・ものづくり診療報酬は見ない固定価格買取制度等(診療報酬・介護報酬は除く)と補助金の経費の重複を見る第9回 PDF p.13、第2回 PDF p.27
「当該事業に係る資産・費用が区分されていること(固定資産台帳上で異なる資産科目として計上されているなど補助対象経費として重複していないこと)が必要となりますが、テーマや事業内容についても」成長加速化 3次 公募要領 PDF p.9
「補助対象経費は重複していないが、テーマや事業内容が中小機構の中小企業デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)と同一又は類似内容の事業(同じ業務プロセスに省力化製品を導入するもの)。」省力化 カタログ注文型 公募要領 PDF p.15

読み取り: 成長加速化の文は固定資産台帳まで踏み込んでいます。機器を「自由診療用」として帳簿を分けても、サービスの内容や顧客が同じなら条文の後半に当たると読めます。一般型のかっこ書きとの差はここにあります。

個人か医療法人かの条文は、これとは別に効きます。新事業進出・ものづくり、カタログ注文型、成長加速化、事業承継は医療法人が法人格で外れるので、医療法人が診療報酬の条文を読み込んでも結論は変わりません。区分の条文は個人と医療法人の違いの記事に並べています。

自院の計画を確かめる順番

  1. 使いたい制度の最新の公募要領で「診療報酬」を検索し、条文を読みます。
  2. FAQでも「保険診療」「クリニック」「医療」を検索します。第何回向けの答えかを確かめます。
  3. 対象の機器やソフトを保険診療で使うかを整理し、計画書に書ける形にします。
  4. 国の他の補助金の受給の有無を確かめます。診療報酬とは別に、補助金どうしの重複は多くの制度で対象外です。
  5. 判断がつかないときは事務局に確認します。一般型のFAQは、対象に当たるか否かの判断は事業計画の内容で審査するとしているので、窓口で個別の可否の回答が得られるとは限りません。

開設者の区分で候補が変わる点は個人と医療法人の違いの記事にまとめています。

条文の言葉の読み分け

同じ「診療報酬」でも、条文の言い回しで範囲が変わります。読むときに気をつける言葉を整理しました。

条文の言い回し範囲(読み取り)使っている制度
同一又は類似内容の事業事業の内容が診療報酬の対象と似ていれば対象外。範囲が広い持続化、成長加速化
重複を含む事業計画の一部でも診療報酬と重なれば対象外になりうる旧 ものづくり、旧 新事業進出、成長加速化
補助対象経費が重複しているもの経費の単位で見るカタログ注文型
使用し得るもの実際に使うかでなく、使える可能性で見る。範囲が広い旧 新事業進出の経費
(診療報酬・介護報酬は除く)国の制度との重複の対象から診療報酬を外す省力化 一般型、新事業進出・ものづくり
別の事業において活用事業と事業所の分離を見る事業承継 承継枠・PMI投資類型

この記事で確かめられなかったこと

  • 保険と自由の両方で使う機器の按分の扱い(確認した要領とFAQに定めが見当たりません)。
  • 省力化一般型で、保険診療の機器の計画がどの程度採択されるか(歯科の医療法人が入った第7回の結果は未公表です)。
  • 都道府県や市区町村の独自の補助での診療報酬の扱い(県ごとの要綱で確認が要ります)。
  • オンライン資格確認の補助が2026年度にあるか(医療機関等向け総合ポータルの中身を読めませんでした)。

確かめられないことは、この記事では「使える」とも「使えない」とも書いていません。条文が変わったら、版の表と比較表を直します。第6回のFAQの反転のように、答えは公募回で変わることがあるので、最新の版と更新日を確かめてください。古い解説を見つけたら、この記事の比較表と照らしてください。