要領に「レセ」の語はありません

補助金の解説には「レセコンは対象」と書いたものと、触れていないものがあります。原文を文字で探すと、通常枠の公募要領、インボイス枠の公募要領、ITツール登録要領、通常枠のFAQのどれにも「レセコン」「レセプト」の語は出てきません。

資料「レセ」の語「乗り換え」「更新」に当たる語関係する記述
通常枠 公募要領なしなし別紙2のプロセス一覧
インボイス枠 公募要領なしなし会計・受発注・決済の機能
ITツール登録要領なしなし(リビジョンアップ、増台はある)(ケ)(コ)の対象外、役務の項目
FAQ 通常枠なしなしQ7 ハードウェアは対象外

2026年11月5日に当サイトが取得した各PDFの文字を検索した結果です。FAQの「更新」は最終更新日の表記だけでした。

つまり「レセコンだから対象」「レセコンだから対象外」という決まりはありません。登録された製品かどうか、どのプロセスで登録されているかの問題です。登録されたレセコンは補助の対象になりえます。使いたい製品の名前を公式のITツール検索で引いてください。検索の注記に更新中で表示されない場合があるとあるので、出てこないときは販売元に登録の状況を聞きます。

別紙2の語で、レセコンの機能に近いものを並べると次のようになります。どれも語が一致するわけではなく、当サイトの読み取りです。

レセコンの機能別紙2で近い語プロセス
カルテの入力診療管理(症状・処置・処方・経過・カルテ記録等)医P-06。標準規格の条件が付く
保険請求の事務受注・売上請求管理、売掛・回収管理共P-02。保険請求を想定した語ではない
窓口の会計決済(POSレジ、券売機システム、多通貨対応)共P-02
医院の経理への連携仕訳、各種出納帳共P-04
予約予約受付台帳共P-01

読み取り: レセコンの機能がどのプロセスに当たるかは、製品の登録の内容で決まります。要領にレセコンの区分は書かれていないので、この表で医院がプロセスを数えることはできません。

検索で上位に出る厚生労働省のページは別の話です

「歯科 レセコン 補助金」で上位に出るのは、厚生労働省の「医療費助成のオンライン資格確認 医療機関・薬局、レセコンベンダ向けの情報」です(当サイトが2026年11月5日に確認)。これは使っているレセコンの改修の補助で、買い替えの補助ではありません。

「医療機関・薬局においてマイナンバーカードを医療費助成(公費負担医療、地方単独医療費助成)の受給者証として利用できるようにするためのレセプトコンピュータの改修について、補助金を用意しています。」厚生労働省 医療機関・薬局、レセコンベンダ向けの情報
診療所向けの区分(令和8年度版)改修の内容補助
①医療費助成の受給者証情報をオンラインで取得するためのレセコンの改修5.4万円を上限(事業費7.3万円を上限にその3/4)
②①に加えて、マイナ診察券で受付を行うためのレセコンの改修同上
③マイナ診察券で受付を行うためのレセコンの改修同上

出典: 診療所向けリーフレット 令和8年度版。補助額の千円未満は切り捨てです。

状況資料の書き方
申請期間リーフレットは2026年5月15日〜9月30日。申請期間の前に改修した場合も対象
①の受付厚生労働省のページは、予算上限に達して受付を終了と記載
②③の受付同じページは「引き続き申請を受け付けております」と記載。9月30日より後の状況は確かめられなかった
申請の場所医療機関等向け総合ポータルサイト。当サイトの取得方法では中身を読めなかった
歯科の扱いリーフレットは診療所向けで「歯科」の語はない。対象かはポータルかコールセンターで確認
必要な書類領収書、領収書内訳書、システム改修に係るチェックシート(ベンダーに記入してもらう)。複数回の申請は認められない

この補助とデジタル化・AI導入補助金は、手続きの順番が逆です。こちらは改修の後に領収書で申請でき、通常枠は交付決定の前に買うと対象外です。同じ「レセコンの補助」として話を聞くと、順番を取り違えます。

「本補助金は予算の範囲内で実施しているため、予算上限に達した場合は申請期限前であっても受付を終了する場合があります。」厚生労働省 医療機関・薬局、レセコンベンダ向けの情報

読み取り: デジタル化・AI導入補助金の通常枠は、既存のソフトの改修を対象にしていません。使っているレセコンの小さな改修はこちらの制度の話で、買い替えの話とは分けて考えます。

同じ検索で混ざる話の整理

検索で混ざる話内容レセコンの買い替えに
デジタル化・AI導入補助金登録されたITツールの導入候補
医療費助成・マイナ診察券の改修の補助使っているレセコンの改修。上限5.4万円別の話
電子処方箋の導入補助電子カルテやレセプト電算化システムなどの既存システムの改修費も対象の費用に入る買い替えそのものは対象でない
歯科電子カルテの普及(令和9年度概算要求)カルテ記載機能のあるレセコンからの移行の支援が要求に入っている。未確定将来の話
「基本パッケージ改修費用:電子カルテシステム、レセプト電算化システム等の既存システム改修にかかる費用」電子処方箋の補助の案内

電子処方箋の金額と期限は電子処方箋の記事をご覧ください。

リビジョンアップと増台:条文の当てはめ

レセコンの相談で一番多いのは、今の製品の費用が対象になるかです。登録要領は「登録の対象外」として次の2つを挙げています。

「すでに購入済のソフトウェアに対する増台や、追加購入分のライセンス費用又は既存ソフトウェアに対するリビジョンアップのための費用が含まれているもの。」ITツール登録要領 PDF p.14(ケ)
「すでに導入済みのソフトウェア等の機能を追加・拡張することを目的としたもの。(追加モジュール、アドオン、プラグイン等)」ITツール登録要領 PDF p.14(コ)
場面当たる項目見立て(読み取り)
使用中のレセコンのバージョンアップ(ケ) リビジョンアップのための費用対象外
受付や診療室の端末の追加(ケ) 増台、追加購入分のライセンス費用対象外。端末そのものも(エ) ハードウェア
使用中のレセコンへのオプション追加(コ) 追加モジュール、アドオン、プラグイン対象外
使用中のレセコンの保守契約の更新カテゴリー7 (エ) 過去に購入した製品に対する保守費用対象外
使用中のレセコンの設定変更や研修カテゴリー6 (ウ) 過去に購入した製品に対する作業費用対象外
新しい端末やプリンターの購入(エ) ハードウェア製品通常枠では対象外
診療報酬改定の対応の費用要領に語がない。既存ソフトのリビジョンアップに当たるかで考える対象外の可能性が高い
リース契約での導入リース・レンタル契約のITツール対象外
開業時の新規導入交付決定前の購入は対象外。決算の実績も要る(FAQ Q34)開業時は使いにくい
承継した直後の入れ替え必要書類が用意できないと申請できない(FAQ Q16)申請者本人の決算や申告がそろうかを先に確かめる

同じ「追加の機能」でも、いつのソフトに足すかで扱いが変わります。登録要領のカテゴリー2(機能拡張)は、(コ)の項目を除いて適用する形で書かれているからです。

足す先扱い根拠
今使っているレセコン(コ)で対象外登録要領 PDF p.14
今回の交付申請で新しく入れるソフトカテゴリー2 機能拡張として申請の余地。最大1年分登録要領 PDF p.18〜19
「交付申請を行うカテゴリー1(ソフトウェア)の機能を追加・拡張するもの。」ITツール登録要領 PDF p.18(カテゴリー2の登録要件)

自院で使えるかは、開設者の区分で変わります

3問で診断する

レセコンの医院がカルテの機能を強くする4つの形

カルテ作成支援機能付きのレセコンを使っていて、電子カルテの機能を足したい医院は多いはずです。同じ目的でも、形によって当たる条文が変わります。

形当たる条文通常枠の見方(読み取り)
今のレセコンにカルテのオプションを足す(コ) 追加モジュール対象外
カルテを別の製品で新しく入れ、今のレセコンとつなぐ医P-06の新規導入。連携の費用はカテゴリー3か6登録されていれば候補。今のレセコン側の改修費はカテゴリー6 (ウ)に当たる恐れ
カルテとレセコンが一体の別の製品に入れ替える新規導入として扱えるかは上の乗り換えの話確認が要る
今の製品を個別に改修する(普及計画の道)既存ソフトの改修通常枠の話になりにくい

カテゴリー3(データ連携ツール)は、ソフトやシステムの間でデータを連携・同期するものです。今回のソフトと一緒に申請する形で、最大1年分です。

「ソフトウェアのデータソースからデータを受け取り、ソフトウェアやシステム間でデータを相互に共有・活用ができるように連携・同期を行うもの。」ITツール登録要領 PDF p.19(カテゴリー3の登録要件)

乗り換え:原文で確かめられること、られないこと

別の製品への乗り換えについて、確認した資料に正面から答えた文はありません。「乗り換えなら問題なく使える」という説明にも、「使えない」という説明にも、この記事は根拠を示せません。ただし手がかりになる条文はあります。役務の項目が、前のシステムや台帳があることを前提にした書き方になっています。

「③ 業務移行計画(並行稼動)作成費用」ITツール登録要領 PDF p.21(カテゴリー5 導入コンサルティング)
「⑥ データ移行計画作成費用」ITツール登録要領 PDF p.21(カテゴリー5 導入コンサルティング)
「② CSVデータ・アップロード作業にかかる費用(既存データ対象)」ITツール登録要領 PDF p.23(カテゴリー6)

読み取り: 既存のデータを新しいソフトに入れる作業が役務に書かれているので、すでに何かのシステムや台帳を使っている医院の導入を、要領が想定の外に置いているとは読めません。一方、これらは他社製品への乗り換えを対象と認めた文ではありません。次の表の右の列を、支援事業者を通じて事務局に確かめてください。回答は書面かメールで残すと後で確かめられます。

乗り換えの型問題になる条文確かめること
別の会社の製品へ新規の導入として登録製品を選ぶ形今回の申請が新規導入として扱われるか。データ移行の範囲
同じ会社の別の製品へ(ケ) リビジョンアップに当たらないか別の製品として登録されているか。旧製品からの値引きの扱い
同じ製品の新しい版へ(ケ) リビジョンアップ対象外の可能性が高い
院内サーバー型から同じ会社のクラウド版へ(ケ)と登録の内容別の製品として登録されているか

データの移行は費用の行ごとに見ると、条文との関係が分かれます。

見積書の行当たる項目注意(読み取り)
移行の計画づくりカテゴリー5 ⑥データ移行計画作成費用交付決定の後から導入開始まで。1交付申請に1つ
新しいソフトへのデータの取り込みカテゴリー6 ②既存データのアップロード導入開始から納品まで
旧製品の会社に払うデータの書き出し費用カテゴリー6 (ウ) 補助事業の対象となっていない製品に対する費用対象外になる恐れ。誰への支払いかを確かめる
導入と関係のないデータの整理カテゴリー6 (エ) 導入とは関連のないデータ作成費用対象外
並行稼動中の旧製品の保守料カテゴリー7 (ウ)(エ)対象外
今のレセコンのリース残債や解約金ITツールの導入費用ではない補助の対象に見当たらない。乗り換えの総額に入れて比べる

出典: ITツール登録要領 PDF p.21〜24。右の列は当サイトの整理です。

役務の合計は200万円が上限で、導入するツールに比べて役務の費用が著しく高額でないことも要件です。移行の費用が本体より大きくなる見積もりは、この条文で問題になります。

「導入するITツールに比して役務費用が占める割合が著しく高額でないこと。」通常枠 公募要領 PDF p.9

役務の金額は、登録の時に申告した業務内容と価格が上限です。交付申請に載せなかった作業の費用は対象になりません。切り替えの途中で「追加のデータ移行」が出ても、後から足せないと考えてください。実績報告では業務内容ごとの価格の申告と、ツールと照合できる請求明細書が要ります。移行の作業を「一式」で見積もる販売元には、行を分けてもらいます。

「交付申請時の業務内容以外の業務に対する費用は、補助対象外となる。」ITツール登録要領 PDF p.31

自院に合わせる費用:カスタマイズの線

帳票や画面を今のレセコンと同じにしてほしい、という相談は乗り換えで起こりがちです。要領はカスタマイズを全部禁じてはいませんが、線を引いています。

費用条文扱い
導入時の設定、テーブル設定カテゴリー6 ①役務の項目にある
カスタマイズの作業カテゴリー6 ③役務の項目にある
カスタマイズ項目の洗い出し、適合の分析カテゴリー5 ⑧⑨役務の項目にある
業務プロセスに影響を与えるような大幅なカスタマイズが必要なものカテゴリー1の対象外 (カ)登録の対象外
スクラッチ開発を伴うものカテゴリー1の対象外 (ク)登録の対象外

出典: ITツール登録要領 PDF p.14・p.21・p.23。

読み取り: どこからが「大幅」かは要領に書かれていません。普及計画の医科版の標準仕様は、個々のカスタマイズに対応しない仕様を求めています。今カスタマイズに費用をかけるなら、将来の移行の時にどうなるかも販売元に聞いてください。

以前にIT導入補助金でレセコンを入れた医院

乗り換えで一番引っかかりやすいのがこの条文です。前回の補助で入れたソフトと今回のソフトのプロセスを比べます。

「今回導入するソフトウェアが有するプロセスが重複する事業者」通常枠 公募要領 PDF p.26(減点措置)
「プロセスが完全に一致する場合、不採択とする。」通常枠 公募要領 PDF p.26(減点措置)
前回(2024・2025)の登録今回の登録扱い(読み取り)
医P-06のみ医P-06のみ完全に一致するので不採択
医P-06、共P-04医P-06、共P-04完全に一致するので不採択
医P-06、共P-04医P-06のみ重複するので減点
医P-06のみ医P-06、共P-01重複するので減点
2022・2023のみで交付決定医P-06のみこの項目には当たらないが、交付決定を受けた事業者として減点

表の組み合わせは条文の意味を示すための例で、製品の登録を示すものではありません。IT導入補助金2025の通常枠で交付決定を受けた場合は、交付決定日から12カ月以内は申請そのものができません(公募要領 PDF p.21)。個人から法人にした医院は、過去に交付決定を受けた個人事業主が設立した法人も同様の取扱いとする文(公募要領 PDF p.13)にも注意してください。他の決まりはデジタル化・AI導入補助金の記事にまとめています。

買取と月額で変わる補助の計算

レセコンは買取の製品と月額の製品があります。登録の仕方が要領に書かれていて、どちらも補助率1/2以内なら対象経費300万円で補助が150万円の境目に当たります。その上は4プロセス以上が要ります。

「オンプレミス及びクラウド製品に関わらず、買取製品の場合は、買取価格を登録申請すること。」ITツール登録要領 PDF p.18
費用の形補助の対象計算の式注意
買取買取価格買取価格×1/2クラウド製品でも買取なら買取価格
月額・年額最大2年分月額×24か月×1/23年目以降は医院の負担
保守(カテゴリー7)ソフトの利用範囲内で最大2年分対象の額×1/2今回のソフトと対の役務のみ
端末・サーバー・プリンター通常枠は対象外-自己負担で見積もる
セキュリティ(カテゴリー4)最大1年分対象の額×1/2導入するソフトを安全に使うための対策に限る
消費税対象外-支払いは税込、補助の計算は税抜きなので、消費税分は医院の負担

レセコン単独で4プロセスがそろうかは製品次第です。補助率が2/3以内になるのは最低賃金近傍の従業員が多い場合だけで、規模では変わりません。導入の時期は交付決定の後なので、7次なら交付決定の予定の2027年1月19日より後です(当サイトの確認日 2026年11月5日)。保険請求の締めの時期を避けて切り替える予定を立てられるか、販売元と先に話してください。

7次の予定日付レセコンの切り替えで考えること(読み取り)
交付申請の締切2026年12月1日17:00見積もりはソフト・保守・移行を分けて取る
交付決定2027年1月19日(予定)この後に契約。先に契約すると対象外
実績報告の期限2027年7月30日17:00(予定)それまでにツールの利用・運用を始めて支払いを終える。並行稼動の期間も含めて逆算する
「実績報告が提出されるまでに全てのITツールにおいて「事業の実施」が完了し、ITツールの利用・運用が開始されている必要がある。」通常枠 公募要領 PDF p.28

インボイス対応類型との関係:窓口の会計機能

レセコンに窓口の会計機能があると、インボイス対応類型の話が出ることがあります。この類型の条件は、インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能です。登録要領の定義にレセコンの語はなく、当たるかは製品の登録で決まります。

機能登録要領の定義(要旨)レセコンとの関係(読み取り)
会計共P-04の仕訳、各種出納帳、総勘定元帳、試算表や財務三表の作成経理への連携だけの機能とは別
受発注共P-02の売上請求管理、売掛・回収管理、仕入管理、買掛・支払管理など保険請求に当たるかは原文にない
決済共P-02のPOSレジシステム等の決済機能窓口のレシートの交付が要件の中心
「不特定かつ多数の者に対して、次の事項を記載した適格簡易請求書(レシート)の交付が可能である」ITツール登録要領 PDF p.16(決済機能)

同じ機能のツールを通常枠と両方で入れると、通常枠の審査で減点が重なります(公募要領 PDF p.26)。「レセコンをインボイス枠で」という提案を受けたら、登録の機能の区分を見せてもらってください。金額と補助率はデジタル化・AI導入補助金の記事にあります。

普及計画でのレセコン:更改のタイミングで分かれる道

厚生労働省の電子カルテ普及計画(令和8年9月9日)は、歯科診療所の多くがカルテ作成支援機能を備えたレセコンを使っていることを前提に、レセコンの医院の道を別に描いています。導入率の数字全体は電子カルテの記事に分け、ここではレセコンの医院に関わる部分だけを読みます。

自院の状況計画の対応策(推定 約4.7万施設)補助金の話(読み取り)
レセコンの更改が近い政府の医療DXサービスへの接続機能等を標準で備えたパッケージ版か、標準仕様に準拠した認証電子カルテ製品へ今の通常枠か、要求中の支援かを比べる。要求は未確定
更改が当分ない個別のシステム改修で政府の医療DXサービスに接続し、レセコンの電子カルテ機能を確保既存ソフトの改修なので、通常枠の話にはなりにくい
「カルテ作成支援機能ありレセコンの電子カルテ機能の確保」電子カルテ普及計画 PDF p.37
「カルテ記載機能のあるレセコンからの場合」電子カルテ普及計画 令和9年度概算要求資料 PDF p.42(パッケージ版製品の導入の支援)

自院のレセコンが調査の分類でどちらに数えられるかを確かめる簡単な問いがあります。「いつ、だれが修正したかの履歴をカルテシステム内で確認できるか」です。調査はこの答えで電子カルテとレセコンを分けています。補助金の登録の区分とは別の話ですが、将来の計画のどの道に入るかを考える手がかりになります。

データの持ち出しの面でも、医科版の標準仕様は参考になります。「クラウド型レセコンとの接続機能」に加え、移行先のベンダーから要請があれば連携に必要な事項を開示することや、オンプレ型からの移行のための「共通データ移行レイアウト例」が挙がっています。歯科版がどうなるかは、令和8年度中の策定を待つことになります。今の製品から移るときにデータをどの形で出せるかは、今の販売元に先に聞いておくと確かです。

「移行先システムベンダーから要請があった場合、連携に必要な事項を開示すること。」電子カルテ普及計画 PDF p.45(医科版の標準仕様)
「カルテ作成支援機能を備えたレセコンが主流と言える。」電子カルテ普及計画 PDF p.36

国の補助金との重複:費用ごとに振り分ける

レセコンの入れ替えと同じ時期に、電子処方箋やマイナ診察券の改修が重なることがあります。同じ経費を国の複数の補助金に出すことはできません。公式のFAQ Q19は、併用はできないが事業内容(サービス・ソフトウェア、経費等)が重複しなければ申請可能としています。申請の前に、費用ごとにどの制度に出すかを表にしてください。

費用候補の制度確かめること
新しいレセコンのソフトデジタル化・AI導入補助金登録の有無とプロセス
電子処方箋の機能電子処方箋の導入補助導入の期限と対象の費用
使用中のレセコンの改修電子処方箋の補助、医療費助成・マイナ診察券の補助受付の状況。ソフトの買い替えの費用と分ける
端末・サーバー通常枠は対象外自己負担で見積もり
保守役務(カテゴリー7)最大2年分ソフトと対になった役務か
「国及び中小機構の他の助成金・補助金との併用はできません。」デジタル化・AI導入補助金 FAQ 通常枠 Q19

他の制度でレセコンは買えるか

制度レセコンの買い替えでの見方(読み取り)根拠
省力化投資補助金 一般型パッケージソフトの単体の導入は対象外。既存ソフトのバージョンアップも対象外第9回 公募要領 PDF p.13・p.22
省力化 カタログ注文型業種表に医療業がない。医療法人は対象外業種・業務領域対応表
業務改善助成金レセコンの語はない。会計給与システムなど特定業務専用のシステムの端末に触れた文はある。賃上げが条件で、対象は労働局に確認交付要領 PDF p.14
持続化補助金歯科医師・医療法人は対象外一般型 公募要領 PDF p.5

レセコンの入れ替えを計画にどう書くか

審査では自院の課題と導入するツールの機能が合っているかが見られます。「古くなったから入れ替える」だけでは説明が足りません。入れ替えで何の時間が減るのかを、自院で測った数字で書きます。

測ること計画での使い方
レセプトの作成と確認にかかる月あたりの時間総労働時間の削減
返戻や査定の件数と対応の時間事務の負担の説明
カルテとの二重入力の時間連携の効果
保守の費用の年額導入の前後の比較

レセコンの形ごとの補助の見え方

形補助の対象の中心注意(読み取り)
院内サーバー型(買取)ソフトの購入費サーバーや端末は対象外
クラウド型(月額)最大2年分の利用料3年目以降の総額で比べる。登録要領のクラウドの定義と普及計画のクラウドネイティブは別
カルテ一体型登録のプロセスによる医P-06なら標準規格の条件
リース込みのパッケージリース契約は対象外ソフトを別に買う形か確認。機器だけのリースは、機器が対象外なので補助とは別に考えられる
販売店の保守契約の更新対象外(新規の導入でない)-

販売元に聞くこと

  1. この製品はデジタル化・AI導入補助金2026のITツールとして登録されていますか。提案のプランそのものが登録されていますか。どのプロセスですか。
  2. 医P-06で登録なら、厚生労働省標準規格への対応はどうなっていますか。
  3. 使用中の製品からの更新は、新規の導入として申請できますか。事務局に確認しましたか。回答は書面でもらえますか。
  4. 見積書でソフト・端末・保守・データ移行は分かれますか。データの書き出しの費用は誰に払いますか。
  5. IT導入支援事業者はどこですか。交付決定の後の契約で切り替えの時期に間に合いますか。
  6. リース契約が条件になっていませんか。
  7. 今の製品のデータは、どの形式で、いくらで書き出せますか(これは今の販売元に聞きます)。

補助率や書類など全体の要件はデジタル化・AI導入補助金の記事をご覧ください。